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【論文紹介】COMPASS試験における脳卒中の予後(Circulationより)|スマートクリニック東京【公式】|再生医学(サイトカイン治療・乳歯幹細胞培養上清液) 東京 市ヶ谷/四谷/麹町

COLUMN

コラム記事

【論文紹介】COMPASS試験における脳卒中の予後(Circulationより)

論文紹介

2022.10.19

今回は米国心臓協会誌「Circulation」に掲載された論文をご紹介します。

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COMPASS試験における脳卒中の予後
Stroke Outcomes in the COMPASS Trial

Circulation. 2019 Feb 26;139(9):1134-1145.

【背景】

COMPASS試験(Cardiovascular Outcomes for People Using Anticoagulation Strategies)において、リバロキサバン+アスピリンの併用療法はアスピリン単剤投与と比較して脳卒中を有意に減少させることが確認された。脳卒中のタイプ別、予測因子、主要サブグループにおける抗血栓効果の詳細な解析結果を報告する。

【方法】

安定した冠動脈疾患または末梢動脈疾患を有する参加者を、アスピリン100 mg 1日1回投与(n=9126)、リバロキサバン5 mg 1日2回投与(n=9117)、リバロキサバン 2.5 mg 1日2回+アスピリン投与(n=9152)に無作為に割り付けた。抗凝固療法が必要な患者、1ヵ月以内に脳卒中、ラクナ梗塞の既往、脳内出血のある患者は除外した。

【結果】

平均23ヵ月の追跡期間中、リバロキサバン+アスピリン群ではアスピリン単剤群に比べ脳卒中発症率が少なかった(83例[年間0.9%] vs 142例[年間1.6%];ハザード比[HR],0.58;95%CI,0.44-0.76;P<0.0001)。虚血性脳卒中は、アスピリン単剤と比較して、併用によりほぼ半減した(68[年間0.7%]対132[年間1.4%];HR、0.51;95%CI、0.38-0.68;P<0.0001])。リバロキサバン単独群では,アスピリンと比較して脳卒中の発生に有意差は認められなかった:年率0.7%(HR, 0.82; 95% CI, 0.65-1.05 )。致命的および障害のある脳卒中(modified Rankin Scale:3-6)の発生は併用により減少した(32人[年間0.3%]対55人[年間0.6%]、HR、0.58、95%CI、0.37-0.89、P=0.01)。脳卒中の独立した予測因子は、脳卒中の既往、高血圧、ベースライン時の収縮期血圧,年齢、糖尿病、アジア系民族であった。

【結語】

低用量リバロキサバン+アスピリンは、臨床的動脈硬化症患者における脳卒中一次予防および二次予防のための重要な新しい抗血栓療法の選択肢である。

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【コメント】

院長が解説|論文紹介|スマートクリニック東京

脳卒中は発症すると命に関わるだけではなく、長期に渡り麻痺などの後遺症が残ることも多々あります。よって、発症予防が大切です。脳梗塞を起こした人、心筋梗塞を起こした人は今後の予防のためにアスピリン、クロピドグレルなどの抗血小板薬を開始したり、不整脈がある人はワーファリン、DOAC(今回の論文で出てきているリバロキサバン)などの抗凝固療法を開始したりします。この研究では今まで重篤な心筋梗塞を起こした人や脳梗塞を起こした人ではなく、安定した動脈硬化がある人に事前にこのような抗血小板薬+抗凝固薬を開始したら脳卒中を予防できるか、トライアルしたものになります。結果としては2つの薬を併用したら血液がサラサラになって血管が詰まりにくくなり、脳梗塞の発症が抑えられ、今後の新たな脳梗塞予防治療の選択肢として期待ができそうな結果となっています。

ですが、これらの薬を安易に開始することで、転倒した際に頭を打つと脳出血が止まらなくなったり、病気になった時も血が止まらず命に関わるリスクもあるため、慎重に適応を考える必要があると思います。
薬に頼るのではなく、高血圧や糖尿病など、日々の生活習慣の見直しが最も大事ですね。

 

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記事監修

スマートクリニック東京 院長 瀬田 康弘
スマートクリニック東京 院長 瀬田 康弘
東京慈恵会医科大学卒。
慶應義塾大学での勤務を経て、株式会社ZAIKEN設立。
臨床、訪問診療、企業活動など様々な分野に従事。
2020年よりスマートクリニック東京院長。

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