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認知症の診断で使用される「長谷川式認知症スケール」とは?MMSEとの違いも解説|スマートクリニック東京【公式】|再生医学(サイトカイン治療・乳歯幹細胞培養上清液) 東京 市ヶ谷/四谷/麹町

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コラム記事

認知症の診断で使用される「長谷川式認知症スケール」とは?MMSEとの違いも解説

認知症

2022.04.10

医療機関では、認知症の判定基準に「長谷川式認知症スケール」が用いられることがあります。
認知症の進行を遅らせるためにも、初期段階における早期発見が大切。そのため、手間をかけずに実施可能な長谷川式認知症スケールが診断基準の1つとして採用されることも多いようです。

本記事では、長谷川式認知スケールについて詳しく解説します。また、国際的な認知症テストであるMMSEとの違いについてもお伝えします。

長谷川式認知症スケールとは

 

長谷川式|認知症|スマートクリニック東京

長谷川式認知症スケールとは、認知症の疑いのある人に9つの質問をして、認知機能障害の有無を判定する方法です。
高齢者がベッドに横になった状態で検査を受けられるため、高齢者への負担を減らせるメリットがあります。
ここでは、長谷川式認知症スケールの質問内容や、判定基準について解説します。

長谷川式認知症スケールのテスト内容

長谷川式認知症スケールのテストは、次の質問内容に準じて実施されます。(注1)

問題 点数
1.年齢はいくつですか? 1点
2.今日は何年何月何日何曜日ですか? 年月日、曜日でそれぞれ1点
3.私たちが今いる場所はどこですか? 自発的に出れば2点
5秒置いて「家ですか?病院ですか?施設ですか?」に答えられれば1点
4.桜・猫・電車という言葉を言ってみてください。後で聞くので、覚えておいてください。 それぞれ1点
5.100引く7はいくつですか?そこからさらに7を引いてみてください。
  • 2回正解で2点
  • 1回正解で1点
6.これから言う数字を逆から言ってみてください。
  • 2回正解で2点
  • 1回正解で1点
7.先程伝えた言葉をもう一度教えて下さい。
  • 自発的に出れば2点
  • ヒントで出れば1点
8.これから5つの品物を見せるので、隠したあとに何があったか教えて下さい。 正解した品物分の点数(5つ正解で5点など)
9.知っている野菜の名前をできるだけ教えて下さい。
  • 10個で5点
  • 9個で4点
  • 8個で3点
  • 7個で2点
  • 6個で1点

各質問の回答結果に応じて、点数が付けられるようになっており、質問後の合計点で認知機能の状態を判定します。
上記の質問を認知症患者に実施すると良く、5~10分程度でテストが行える手軽さも特徴です。

長谷川式認知症スケールの20点以下で認知症疑い

長谷川式認知症スケールは30点で満点であり、その内20点以下である場合に、認知症の疑いがあるとされています。
また、すでに認知症と診断されている場合は、次のような重症度を判定する目安も存在します。

重症度 点数
軽度 20~30点
中等度 11~19点
高度 0~10点

実際に医師が認知症を診察する場合は、長谷川式認知症スケールの結果のみで認知症だと診断するわけではありません。
テスト以外にも画像検査なども行われ、テストと画像検査の結果から、医師が総合的に判断して認知症の診断が下されるのです。

長谷川式認知症スケールの注意点

認知症|検査の注意点|スマートクリニック東京

長谷川式認知症スケールを家族間で安易に行わないように注意しましょう。
なぜなら、長谷川式認知症スケールは、テストを受ける人の体調にも左右されるため、家族間で行っても正確な評価が下せないことも多いからです。
さらに、テストで安易に身内を認知症だと決めつけてしまうと、家族間の人間関係を壊す原因やトラブルの元となります。
家族の認知機能の低下に関して気になることがあれば、専門院が実施する「物忘れ外来」を受診するようにしましょう。

「物忘れ外来」について詳しく知りたい場合は、次の記事を参考にしてください。

関連記事:物忘れ外来とは?検査内容や検査費用について解説

長谷川式認知症スケールとMMSEの違い

長谷川式認知症スケールと並んで、認知症の判定テストに使われる評価法に「MMSE」があります。
ここでは、MMSEの解説と長谷川式認知症スケールとの比較についてお伝えします。

MMSEとは

MMSEとは、認知症が疑われるときに行われる神経心理検査です。
国際的に用いられる検査法で、10~15分ほどの時間をかけて検査が実施されます。
検査内容は11項目で構成され、1問につき10秒間の時間制限が設けられています。
30点満点中、23点以下の場合に「認知症の疑い」24~27点で「軽度認知障害の疑い」が判断の目安です。

長谷川式認知症スケールとMMSEの比較

長谷川式認知症スケール(HDS-R) とMMSEの比較は、次の表のとおりです。

比較内容 HDS-R MMSE
発祥 日本 アメリカ
検査時間 5~10分 10~15分
満点 30点 30点
認知症の疑い基準 20点以下 23点以下
軽度認知障害の疑い基準 なし 24~27点
項目数 9個 11個
回答方法 口頭のみ 口頭・記述・描画
評価対象となる能力 見当識・記憶・計算・言語能力 見当識・記憶・計算・言語能力・図形能力

検査時間や回答方法から考えると、長谷川式認知症スケールの方が手間をかけずに実施できると考えられます。
長谷川式簡易知能評価スケールは、MMSEよりも記憶力に重点が置かれている点が特徴になります。

また、長谷川式やMMSEで点数が悪いから認知症であると断定もできません。そのため、認知症が疑わる場合は、専門医による物忘れ外来を受診しましょう。

アルツハイマー型認知症発症後、また予備軍の方々の症状改善治療はスマートクリニック東京へ

受診の結果、アルツハイマー型認知症との診断を受けた場合は、スマートクリニック東京の「アルツハイマー型認知症治療」を受けるのもおすすめです。

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(参考)

注1:改訂 長谷川式簡易知能評価スケール (HDS-R) 

記事監修

スマートクリニック東京 院長 瀬田 康弘
スマートクリニック東京 院長 瀬田 康弘
東京慈恵会医科大学卒。
慶應義塾大学での勤務を経て、株式会社ZAIKEN設立。
臨床、訪問診療、企業活動など様々な分野に従事。
2020年よりスマートクリニック東京院長。

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