物忘れの症状が、加齢による物忘れなのか認知症による記憶障害なのかを迷う方も多いのではないでしょうか。認知症の症状を確かめるためには、物忘れ外来を受診することをおすすめします。
しかし、物忘れ外来の受診経験がない場合、「今の症状で、本当に物忘れ外来にまで行く必要がある?」「行ったことが無いから行きづらい」と感じて受診を躊躇う場面も考えられます。
本記事では、加齢による物忘れと認知症による記憶障害の違いを解説。物忘れ外来の検査方法や費用についてもお伝えします。
物忘れ外来の受診に迷っている方は、参考にしてください。
物忘れ外来とは
物忘れ外来とは、「認知症」と「加齢による物忘れ」を区別して、認知症を早期に発見し、必要な治療を施すための外来です。
認知症と物忘れの違いは、次のとおりです。
加齢による物忘れ | 認知症による記憶障害 | |
判断や計算 | 可能 | 不可能 |
記憶力 | 食事の内容を忘れる
ヒントを出せば最近の出来事を思い出せる |
食事をしたこと自体を忘れる
最近の出来事はまったく思い出せない |
見当識 | 名前を聞くと誰なのかを思い出す | 身近な人の名前を聞いても思い出せない |
加齢による物忘れと、認知症の症状には上記のような大まかな違いがありますが、専門家の検査を受けて判断するようにしましょう。
認知症の診断方法
認知症は、物忘れで発症することが多く、ゆっくりと進行するため、専門家の診断を受けないと加齢による物忘れと認知症による症状を見分けるのは困難です。
65歳以上の5人に1人は認知症だと言われているため、認知症には誰がなってもおかしくはありません。「最近、物忘れがひどくなったな」とご本人やご家族が感じたら、認知症外来を受けてみてはいかがでしょうか。
認知症外来では、次のような検査が行われます。
- 問診
- 神経心理学検査
- 脳画像検査
- 血液検査
- レントゲン検査
画像検査や血液検査による客観的なデータから、認知症の診断が下されます。
自己判断のもとに、家族が認知症だと決めつけると、家族間のトラブルや人間関係の破綻を招きかねません。認知症の判断は、必ず医師の診断を仰ぐようにしましょう。
認知症の治療法
現在のところ、認知症に対する根本的な治療法は存在しません。そのため、認知症治療の目的は症状の進行を遅らせることです。
ここでは、薬とリハビリに関する治療について解説します。
薬による治療
薬物療法の場合、抗認知症薬と向精神薬が使われます。アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症の疾患別、あるいは症状の重症度に応じて処方される抗認知症薬が異なるのです。
また向精神薬は、行動・心理症状(周辺症状)が激しいときに利用されます。たとえば、認知症患者が暴れる際や、意欲が低下して食事を摂らない場合など、行動や心理面で日常生活に問題がある場合に処方されます。
リハビリによる治療
リハビリには、身体を動かすような運動から、手先を使う作業療法、書き取りや計算などを行う脳トレなどさまざまな取り組みがあります。
症状や好みに合わせて、認知症患者が楽しめるリハビリを選択することが重要です。
物忘れ外来にかかる費用
物忘れ外来の検査費用は次に示す表のとおりです。
検査項目 | 10割負担 |
---|---|
認知機能テスト(神経心理学的検査) | 700円~2,800円 |
CT検査 | 1万5,000円~2万円 |
APOE遺伝子検査 | 1万5,000円~2万5,000円 |
MCIスクリーニング検査 | 1万5,000円~2万5,000円 |
MRI検査 | 1万5,000円~3万円 |
SPECT検査 | 8万円~10万円 |
合計 | 14万円~20万円 |
上記は10割負担での検査費用であるため、3割の保険適用で4~7万円、1割負担で1万円~2万円が物忘れ外来の検査費用の相場です。
認知症の検査費用の他にも、治療費や介護費用もかかります。認知症は完治が難しいため治療が長期間継続することを考えると、経済的な負担が大きいと考えられます。
スマートクリニック東京のアルツハイマー型認知症治療
物忘れ外来で、専門医によるアルツハイマー型認知症の診断を受けた場合は、スマートクリニック東京のサイトカイン治療で症状の改善を目指すのもおすすめです。
ヒト乳歯歯髄幹細胞培養上清液に含まれる生理活性物質のサイトカインを点鼻にて体内に取り込むことで、認知症でダメージを受けた脳神経細胞の回復が期待できます。
「Nose-to-Brain」といわれる鼻からの投与物質が脳へと到達する経路が存在しており、点鼻されたサイトカインが直接、脳細胞に作用できるのです。
記事監修
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東京慈恵会医科大学卒。
慶應義塾大学での勤務を経て、株式会社ZAIKEN設立。
臨床、訪問診療、企業活動など様々な分野に従事。
2020年よりスマートクリニック東京院長。
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