認知症は80代になると急激に進行すると言われますが、実際に80代以降の認知症者数は多いのでしょうか。
また、平均寿命が80歳以上である日本において、認知症がどのように進行するのか興味を持つ人も多いと考えられます。
本記事では、高齢者の認知症患者の年齢別や基礎疾患別の割合について解説。
日本で最も多いアルツハイマー型認知症の症状についてもお伝えします。認知症の早期発見に役立つ情報を求めている場合は、ぜひ参考にしてください。
年齢別の認知症有病率
年齢別の認知症有病率は次のグラフのとおりです。
(「認知症施策の総合的な推進について|厚生労働省」をもとに作図)
80代になると、5人に1人が認知症であることが分かります。その後も、年齢と共に認知症者数は増加傾向です。
また、2025年には認知症患者の数が730万人を突破するとの推計もあります。
認知症患者数を増やさないためには、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)を早期に発見し、進行を遅らせる必要があります。
次に、認知症における基礎疾患の割合を見ていきましょう。
認知症の6割はアルツハイマー型認知症
(「認知症施策の総合的な推進について|厚生労働省」をもとに作図)
認知症疾患の割合はアルツハイマー型認知症(アルツハイマー病による認知症)が60%以上を占め、次いで脳血管性認知症、レビー小体型認知症の順に多い結果となりました。
80代以降に急激に増加する認知症患者の数を減らすには、アルツハイマー型認知症への対策が不可欠だと考えられます。
アルツハイマー型認知症の症状を把握して、早期発見に努めたいところです。
アルツハイマー型認知症の症状
ここでは、アルツハイマー型認知症の初期症状と進行後の症状について解説します。
なお、アルツハイマー型認知症の治療法について知りたい場合は、次の記事を参考にしてください。
関連記事:アルツハイマー型認知症の治療|薬物療法や非薬物療法、サイトカイン療法について解説
初期に見られる症状
アルツハイマー型認知症の初期には次のような症状が見られます。
- 同じ質問を繰り返す
- 料理を今まで通りにできない、味付けがうまくいかない
- 数分前に起こったことを覚えていない
- いままで行っていて慣れた作業ができなくなる
初期のころは検査や医師の診察を受けた際に所見が見つからず、正常な認知機能と判断されることも。時間が経過するについて、物忘れが目立つようになり、周囲がおかしいと気づくようになります。
症状が進行すると見られる症状
症状が進行すると次のような症状が見られるようになります。
- 家族の名前を忘れる
- 季節にそぐわない服装をする
- 何度も同じ商品を購入する
さらに、症状が進むと次のような症状が現れ日常生活にも支障をきたします。
- 1人で着替えられない
- 入浴や着替えを嫌がる
- 家族の区別がつかづに名前と顔も一致しなくなる
最終的には、身体が硬直して自分で姿勢を保てなくなるなどして、日常生活の全般において、介護者のサポートが必要な状態になります。
認知症で忘れる順番
認知症の症状で特に多いのが記憶障害ですが、記憶の種類に応じて忘れる順番が異なります。
比較的に最近の出来事から忘れやすくなり、子どものころや数年前のできごとなどの思い出は忘れづらいと言われているのです。
たとえば、認知症患者が食事をしたことを忘れてしまい、食事を出すようにせがむのは、最近の出来事から忘れやすい認知症の特徴が原因と考えられます。
認知症の進行は生活習慣の改善で予防できると言われています。認知症の進行を予防するための方法については、次の記事も参考にしてください。
関連記事:認知症予防のための4つの習慣|進行を予防するには早めの対応が重要!
アルツハイマー型認知症発症後、また予備軍の方々の症状改善治療はスマートクリニック東京へ
アルツハイマー型認知症の症状は早期に発見して、早めに対処することが大切です。80代以上の5人に1人は認知症だというデータもあります。
同じ質問を繰り返したり、今までできていた日常生活の営みが出来なくなったりした場合は、認知症外来を受診して認知症の有無を確認するとよいでしょう。
スマートクリニック東京では、アルツハイマー型認知症発症後、またはその予備軍の方に対して「アルツハイマー型認知症治療」を行っています。
記事監修
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東京慈恵会医科大学卒。
慶應義塾大学での勤務を経て、株式会社ZAIKEN設立。
臨床、訪問診療、企業活動など様々な分野に従事。
2020年よりスマートクリニック東京院長。
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