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COLUMN

コラム記事

【論文紹介】脳卒中および死亡のリスクファクターとしての閉塞性睡眠時無呼吸症候(NEJMより)

論文紹介

2022.12.14

今回はNew England Journal of Medicineより発表された論文をご紹介します。

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脳卒中および死亡のリスクファクターとしての閉塞性睡眠時無呼吸症候
Obstructive sleep apnea as a risk factor for stroke and death.

Yaggi HK, Concato J, Kernan WN, Lichtman JH, Brass LM, Mohsenin V
N Engl J Med. 2005;353(19):2034.

【背景】

これまでの研究で,閉塞性睡眠時無呼吸症候群は脳卒中の重要な危険因子である可能性が示唆されている。しかし,高血圧を含む他の危険因子を調整した後に,この症候群が脳卒中やあらゆる原因による死亡のリスクと独立して関連しているかどうかは,これまで明らかにされていない。

【方法】

この観察的コホート研究では,連続した患者に睡眠ポリグラフ検査を実施し,その後のイベント(脳卒中および死亡)を検証した。閉塞性睡眠時無呼吸症候群の診断は、無呼吸低呼吸指数が5以上(1時間当たり5回以上)であることとし、無呼吸低呼吸指数が5未満の患者を比較群とした。脳卒中またはあらゆる原因による死亡の複合転帰に対する閉塞性睡眠時無呼吸症候群の独立した効果を調べるために比例ハザード分析を使用した。

【結果】

登録患者 1022 例中,697 例(68%)に閉塞性睡眠時無呼吸症候群が認められた.ベースライン時の平均無呼吸低呼吸指数は、比較群の平均無呼吸低呼吸指数が2であったのに対し、本症候群を有する患者の平均無呼吸低呼吸指数は35であった。調整前の解析では、閉塞性睡眠時無呼吸症候群は脳卒中またはあらゆる原因による死亡と関連していた(ハザード比、2.24;95%信頼区間、1.30~3.86;P=0.004)。年齢,性別,人種,喫煙状況,アルコール摂取状況,体格指数,糖尿病,高脂血症,心房細動,高血圧の有無で調整しても,閉塞性睡眠時無呼吸症候群は脳卒中または死亡との統計的に有意な関連を保った(ハザード比,1.97;95%信頼区間,1.12~3.48;P=0.01).傾向分析では、ベースライン時の睡眠時無呼吸症候群の重症度の上昇は、複合エンドポイントの発症リスクの上昇と関連していた(P=0.005)。

【結論】

閉塞性睡眠時無呼吸症候群は,脳卒中またはあらゆる原因による死亡のリスクを有意に増加させ,その増加は高血圧を含む他の危険因子とは無関係であった.

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【コメント】

睡眠時無呼吸症候群はあらゆる疾患のリスクになると言われております。いびきをかいている人は一度検査を受けると良いです。診断が付いたら、睡眠中に専用のマスクを付けるなどの対策が必要になります。肥満が睡眠時無呼吸症候群のリスクにもなるので、減量も大切です。

【考察】

閉塞脳卒中に関して解説|論文紹介|再生医療・サイトカイン治療ならスマートクリニック東京性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は、睡眠時にいびきや無呼吸などみられ、血中の酸素が低下することで、眠気や倦怠感、集中力低下、抑うつ、頭痛などの症状を呈する病気です。未治療であると、高血圧症や糖尿病などの生活習慣病から、心不全や不整脈、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすといわれています。

 閉塞性睡眠時無呼吸症候群はと前述のように、もともとその他の病気に影響することがいわれていますが、今回の論文では、これがその他の病気とは関係なく、単独で直接的に脳卒中やそのあらゆる原因による死亡のリスクを増加させるか否かを検証した研究であり、結果、リスクは増加するという結論に至っています。

 閉塞性睡眠時無呼吸症候群は女性より男性の方がなりやすく、また加齢や肥満などが代表的なリスクになり、睡眠時に酸素を送り込む機械を装着するなどで治療されます。重篤な病気や死亡につながる病気であり、症状がある方は一度医療機関への相談をお勧めします。

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記事監修

スマートクリニック東京 院長 瀬田 康弘
スマートクリニック東京 院長 瀬田 康弘
東京慈恵会医科大学卒。
慶應義塾大学での勤務を経て、株式会社ZAIKEN設立。
臨床、訪問診療、企業活動など様々な分野に従事。
2020年よりスマートクリニック東京院長。

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