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COLUMN

コラム記事

【医師監修】脳卒中の後遺症とは|言語障害と痙攣、めまいなどの症状はある?確率は?

脳卒中(脳梗塞・脳出血など)

2022.03.09

令和2年の人口動態統計によると日本で4番目に多い死因は脳血管疾患です。中でも、脳卒中は中高年を中心に発症例の多い病気です。

脳卒中は後遺症が残ることもあり、重い症状を患った場合は、生活の質が大きく低下する場合もあります。

そのため「脳卒中になったらどんな後遺症に見舞われるのか?」「脳卒中の後遺症は治るのか?」と不安を持つ人も多いのではないでしょうか。

本記事では、脳卒中の後遺症の種類や症状を詳しく解説。後遺症の予防が期待できる脳卒中治療も紹介します。

脳卒中の後遺症について気になる方は、どうぞ参考にしてください。

 脳卒中とは

脳卒中とは、脳の血管が詰まったり、破れたりして脳にダメージを受ける病気です。

脳卒中は複数の病気の総称で、脳血管障害とも呼ばれます。ここでは、脳卒中の種類や原因についてお伝えします。

脳卒中で介護が必要になる原因についても説明しますので、参考にしてください。

 脳卒中の種類

脳卒中の種類について

脳卒中の種類には、脳梗塞と脳出血(脳溢血)、クモ膜下出血があります。さらに脳梗塞はラクナ梗塞とアテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症に分かれます。

脳梗塞は脳の血管が詰まった状態で、脳出血とクモ膜下出血は脳の血管が破けて出血した状態です。

また脳出血は、脳の深部にある細い血管が破けた状態である一方、クモ膜下出血は脳の表面にある太い血管できたに動脈瘤(どうみゃくりゅう)と呼ばれる瘤(こぶ)が破裂した状態です。

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脳卒中の原因

脳卒中の最大の原因は、高血圧による脳動脈へのダメージです。

その他の要因には、高脂血症や糖尿病、不整脈などの病気が考えられます。

これらの病気は基礎疾患と呼ばれており、放っておくと脳卒中のリスクを高めるため、しっかりと治療を受けることが推奨される病気です。

脳卒中のリスクを回避するためには、喫煙や肥満、運動不足などの不健康な生活習慣を見直して基礎疾患を悪化させないことも大切です。

 脳卒中は介護が必要になる最大の原因

介護が必要となった原因の割合参考:「平成22年国民生活基礎調査 Ⅳ介護の状況|平成22年 厚生労働省」内の表24 要介護度別にみた介護が必要となった主な原因の構成割合をもとに作図

要支援1~要介護5までの要介護者に対して厚生労働省が行った調査によると、介護が必要になった原因として最も高い割合を示すのは脳卒中で全体の21.5%占めます。

さらに脳卒中が原因で寝たきり(要介護5)になる人は、全体の33.8%にも上ることがわかりました。

脳卒中は、要介護になる最も大きな原因なのです。

脳卒中の後遺症について

脳卒中の後遺症は、次のとおりです。

  • 感覚麻痺
  • 運動麻痺やめまい
  • 構音障害や失語症
  • 視野障害
  • 高次機能障害
  • 排尿障害
  • 嚥下障害
  • 認知症
  • 痙縮(けいしゅく)と痙攣(けいれん)

各後遺症について、詳しく説明します。

感覚麻痺

感覚麻痺になると、左右のどちらかにしびれなどの症状が現れ、感覚が鈍くなります。脳卒中を発症してから半年後など、ある程度の期間が経過してしびれが強くなることも。

麻痺が起きた側では触れられた際に、冷たい、温かいなどの感覚を持つこともあり、本来の感覚が分かりづらくなります。

一方で、痛覚過敏になって痛みを強く感じることもあります。

運動麻痺やめまい

運動麻痺になると、片方の腕や脚が動かなくなることが多く、痙性麻痺や弛緩性麻痺といった状態に見舞われます。

痙性麻痺とは筋肉が緊張して硬くなった状態で、弛緩性麻痺は、筋肉が脱力して柔らかくなった状態です。

いずれも体を動かしづらくなり、日常生活に支障が現れます。脳卒中を発症して間もない時期は、弛緩性麻痺になることが多く、その後痙性麻痺に移行します。

運動麻痺には、手足の先の細かい動きのみに起こる軽度な症状から、まったく動かせなくなる重度な症状までさまざま。

身体のバランスが保てなくなり、めまいの後遺症が現れることもあります。

構音障害や失語症

失語症には感覚性失語症と運動性失語症などがあり、両方とも患った状態を全失語といいます。

運動性失語症は、ブローカ失語症とも言いますが、言葉は理解できるけど発語が難しい状態です。

感覚性失語症は、ウェルニッケ失語症とも言われ、発語は流暢で問題ないけど言葉の理解が難しい状態です相手の言ってることが理解できないので会話が成立しません。言葉の意味がわからないため、相手の話の内容がわからなくなります。

 視野障害

視野障害には、次のパターンが存在ます。

  • 複視:眼球運動が正常に行われなくなり、物が二重に見える
  • 半盲:視野の左右どちらか半分が見えなくなる
  • 視野欠損:視野の4分の1程度が見えなくなる

視野障害は回復することもありますが、長期間に渡って残ることもある障害です。

高次機能障害

高次機能障害には、次のような症状が現れます。

  • 失認:視覚には異常がないにもかわらず、物を認識できなくなる
  • 半側空間無視:目は見える状態にもかかわらず、視野の片方を認識できない
  • 失行:今までできていた日常的な動作ができなくなる

失行は普段使っていた道具の使い方がわからなくなったり、洋服の着用方法がわからなくなる症状です。

他にも、行動や感情をコントロールできなくなったり、集中できずに2つのことを同時にできなくなったりすることもあります。

排尿障害

排尿障害になると、膀胱の活動が活発になるため、排尿の間隔が短くなったり、トイレに間に合わなくなったりします。

膀胱の活動が活発になるのは、排尿をコントロールする脳の部位に障害を負ったからです。

脳卒中の急性期には、一旦は尿が出なくなることもありますが、その後は頻尿や尿失禁になることが多いです。

嚥下障害

嚥下障害とは、口や舌、のどをスムーズに動かせずに、食べ物や飲み物をうまく呑み込めなくなる状態で、運動障害や感覚障害により発症します。

嚥下障害になると、誤嚥すること(食べ物がのどに詰まったり、気管に入ること)もあります。

気管に入った場合は、気管から肺へと食べ物が侵入して、肺で炎症を起こす場合があり注意が必要です。誤嚥性肺炎と呼ばれ、命に関わることもあります。

認知症

脳梗塞の一種であるラクナ梗塞は症状が軽度なことが多く、気づかないうちに脳の障害が進行して認知症を発症することがあります。

ラクナ梗塞とは脳の微細な血管が詰まった状態で、損傷が軽微なため症状が現れにくいのです。

脳ドックで検査を受けた時などに、見つかることがあります。

痙縮(けいしゅく)と痙攣(けいれん)

痙縮とは、筋肉の極度の緊張により手足がつっぱって動かせない状態。また痙攣は、体が勝手に激しく動く状態です。

脳梗塞の後は、脳の障害により筋肉をコントロールできなくなり、異常に収縮して固まって動かせなくなります。

さらに進行すると、急に痙攣して無意識に動き出ことも。痙攣のように筋肉を制御できなくなった状態をクローヌスともいいます。

脳卒中による損傷部位と後遺症の関係

脳への影響

脳卒中の後遺症は損傷を受けた部位によって大きく異なります。

ここでは、損傷を受けた部位ごとに代表的な症状を解説します。

前頭葉

前頭葉にダメージを受けると、ワーキングメモリーが低下して学習や仕事、日常生活に支障が出ます。

ワーキングメモリ―とは、脳に取り入れた情報を処理するために一時的に記憶に留めておく能力です。

ワーキングメモリが低下すると、物事に集中できなくなったり、言葉を流ちょうに話せなくなったりします。

また行動や感情のコントロールができなくなる特徴もあります。

 頭頂葉

頭頂葉が障害を受けると、損傷を受けた部位の反対側にしびれや感覚障害が起こります。

「冷たい」や「温かい」、「痛い」などの感覚を識別できなくなるのです。また、左右の区別がつかなくなり、道に迷いやすくなります。

他にも、計算をしたり、文字を書いたりできなくなります。服の着用や洗髪など日常の簡単な行動ができなくなる失行の症状が現れることも特徴です。

側頭葉

側頭葉に障害を負うと、言葉を理解できなくなります。そのため、意味不明なことを話すようになり会話が成立しにくくなります。

新しいことを覚えられなくなる点も特徴です。

後頭葉

後頭葉にダメージを受けた場合は、目の機能が正常であるにもかかわらず、見たものを視覚として認識できなくなります。

つまり、目は正常に働いて見える状態なのですが、見たものが何であるのか分からなくなるのです。

知っている人の顔を見ても誰なのか認識できなくなったり、字を読めなくなったりします。

大脳辺縁系

大脳辺縁系に障害を抱えると、感情の抑制ができなくなり、人格の変化が生じることもあります。

また、論理的な思考ができなくなったり、実際には存在しない悪臭を感じたりすることもあります

脳卒中の病期とリハビリについて

脳卒中のリハビリは回復を促すために、早期に開始され、病気ごとに内容が異なります。

ここでは、急性期と回復期、維持期(生活期)について、それぞれのリハビリ内容を解説します。

急性期

脳卒中や骨折などの急な病気やケガの治療直後もしくは治療と並行して行われるリハビリテーションを指します。過度に安静にしたり、日常生活の行動を制限したりすると寝たきりや後遺症の軽減のために、リハビリは急性期の早い時期から開始します。

急性期のリハビリテーションはまずは、内容は無理のない、負担の軽い、手足の関節を曲げたり伸ばしたりする動作から始め、寝返りをうったり、座ったりなどの動作も練習を中心に行います。

ベッドの上や周辺でできるリハビリから、実践します。

 回復期

回復期のリハビリテーションは、急性期リハビリテーションより実践的なリハビリテーションを指します。

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による専門的なリハビリはもちろん、朝起きてから寝るまでの入院生活すべてをリハビリと捉え、それぞれの動作に目的をもって行います。

身体機能の回復に向け、痛みなくスムーズに歩くための歩行訓練や、料理や服の着脱など日常生活におけるあらゆる動作の練習、関節可動域訓練や嚥下(飲み込み)訓練を行うほか、言語障害がある場合は、言語聴覚士(ST)によるリハビリテーションも行われます。

日常生活動作を危険なく行えるようにするため、食事やトイレ、着替え、入浴など、在宅生活に近い環境で日常生活の動作の練習を繰り返します。

社会や家庭へ問題なく復帰すること、寝たきり防止など退院後の日常生活を見据えた訓練を行い、日常生活の動作を自力で行える状態に近づくことが最終目標です

 

維持期(生活期)

維持期、もしくは生活期に入ると、病院を退院して自宅や専用施設のあるクリニックでリハビリを行います。

生活期リハビリの目的は、「可能な限りその人のもつ能力に応じ、自立した日常生活を送れるようになること」です。日常生活の中で動作訓練を行い、一人でできることを増やしていくのです

散歩や軽めの運動なども行い、可能な限り通常に近い状態を目指します。

 脳卒中の後遺症が治る期間は?復職までの期間と確率を解説

脳卒中の後遺症が治る期間は、復職までの期間を目安にするとよいでしょう。

復職までの期間と確率は次のとおりです。

復職までの期間 復職の確率
6ヶ月 30%前後
1年 30~40%
1年6ヶ月 40~50%

仕事に従事する人であれば、最終的には半数近くの人が復職できるくらいまで脳卒中の後遺症が回復します。

リハビリを開始してから回復するまでに、半年や1年などの長期間がかかりますが、リハビリを続けると復職できる確率も高くなります。

後遺症を最小限に抑えるためには早期治療が重要

瀬田院長-スマートクリニック東京

早期治療に取り組んで後遺症を抑えたい場合は、サイトカイン治療がおすすめです。

サイトカイン療法は、再生医療の技術を応用した治療法で、点鼻投与で手軽に受けられます。手軽であるため、後遺症治療を早めにはじめたい人には、最適なのではないでしょうか。

さらに、他の再生医療に比べても安価であるため、金銭面でも受けやすい治療法です。ここでは、サイトカイン治療の詳細を説明し、回復した事例を紹介します。

サイトカイン治療とは

サイトカイン療法とは、ヒト乳歯歯髄幹細胞培養上清液を鼻から注入したり、点滴で投与したりして脳細胞の修復を促す治療法です。

ヒト乳歯歯髄幹細胞培養上清液に含まれるサイトカインを利用して行う治療であるため、サイトカイン療法と呼ばれます。

ヒト乳歯歯髄幹細胞培養上清液とは

ヒト乳歯歯髄幹細胞培養上清液とは、ヒトの乳歯の歯髄に含まれる幹細胞を培養したときにできた上澄み液です。

サイトカインは幹細胞から放出されるため、幹細胞の培養の過程で作られた上清液にもサイトカインが含まれます。

サイトカインは、細胞の再生に必要なさまざまな機能を備えているのです。

サイトカインの役割

幹細胞が放出するサイトカインの役割は次のとおりです。

  • 炎症を抑える機能
  • 炎症で傷ついた細胞を保護する機能
  • 体に存在している幹細胞を誘導する機能
  • 新たな血管を作り出す機能

引用元:驚異の再生医療|上田実・著

サイトカインを点鼻で投与すると、脳細胞を作り出す働きのある幹細胞を活性化したり、誘導して損傷部位へと集められたりします。

損傷部位に集まった幹細胞が活発に働くことで、脳細胞を増殖させられるため、脳の再生が期待できるのです。

また血管を新しく作り出す作用で、脳卒中で破壊された脳血管の再生が可能となり、酸素や栄養素が脳全体に行きわたるようになります。

サイトカイン治療で回復した事例を紹介

ここでは、サイトカイン療法で回復した事例を2つ紹介します。

運動障害の改善が認められた事例

脳卒中により、左運動障害と肩関節屈曲障害、巧緻運動障害を抱えた60歳女性。サイトカイン治療を受けて、運動障害や巧緻機能障害の改善がみられました。

2年間の集中リハビリでも改善が見られなかった症状でしたが、サイトカイン療法では改善がみられたのです。

なお治療後の副反応は、認められていません。

片麻痺で歩行不能な状態から歩けるようになった事例

脳梗塞の発症後に片麻痺が残って、右手と右足を動かせなくなった状態から回復した事例も報告されています。

この女性は、2年間に渡りリハビリを受けましたが、歩くことができずに車いす生活を余儀なくされていました。

ところが、ヒト乳歯歯髄培幹細胞培養養上清液の投与から2週間後には、右手が少し動くようになったのです。

さらに、4週間後には右足も動かせるようになり、杖を使いながら歩けるようになりました。

夫は女性が歩けるようになったことに対して、奇跡だと言って大喜びしたとのことです。

早めの脳卒中の後遺症治療はスマートクリニック東京へ

 

ご来院の様子

脳卒中の後遺症には、感覚麻痺や運動障害、視野の欠損などさまざまな障害が見られます。

後遺症から回復するためには、長期間のリハビリを行い、徐々に日常生活でできる動作を取り戻していくことが大切です。

リハビリを続けることで半数近くの人は、仕事に復帰できるほどに回復できると報告されています。

一方で2年間が経過しても、日常生活の動作ができるようにならない場合もあります。

リハビリを成功させるためには、再生医療の技術を応用したサイトカイン治療を受けてみるのもおすすめです。

点鼻で手軽に受けられる上に、再生医療の中でも安価に受けられる治療であるため、脳卒中の後遺症治療として始めやすいのではないでしょうか。

早めに脳卒中の後遺症治療を始めたい場合は、サイトカイン治療が受けられるスマートクリニック東京にご相談ください。

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記事監修

スマートクリニック東京 院長 瀬田 康弘
スマートクリニック東京 院長 瀬田 康弘
東京慈恵会医科大学卒。
慶應義塾大学での勤務を経て、株式会社ZAIKEN設立。
臨床、訪問診療、企業活動など様々な分野に従事。
2020年よりスマートクリニック東京院長。

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