脳血管性認知症は三大認知症の中でも、アルツハイマー型認知症に次いで、2番目に割合の大きな認知症です。
脳血管性認知症を治療するには、原因疾患である脳卒中の予防が不可欠です。薬物療法だけではなく生活習慣の改善にも取り組む必要があります。
また、アルツハイマー型認知症と合併しやすいのも特徴。アルツハイマー型認知症と血管性認知症を合併した場合、混合型認知症と言われます。
本記事では、血管性認知症になるメカニズムや症状の特徴、治療法を解説します。
脳血管性認知症とは
血管性認知症とは脳卒中が原因で起こる認知症です。脳卒中の後遺症ではじめに思い浮かぶのは、うまくしゃべれなくなる言語障害や身体が動かせなくなる身体障害ではないでしょうか。
しかし、脳卒中により認知機能に関連する部位が障害されると、認知症を発症することもあるのです。
ここでは、脳卒中から認知症が発症するメカニズムと症状について解説します。
脳血管性認知症の原因は脳卒中
脳卒中とは脳の血管が詰まったり、破れたりして、脳の神経細胞が障害を受ける病気です。脳卒中を発症すると、身体機能や言語機能に障害が現れると言われており、死に至ることもあります。
脳卒中には、脳血管の状態に応じて、血管が詰まる「脳梗塞」や血管が破ける「脳出血」「クモ膜下出血」に分かれます。
脳血管性認知症の場合、小さな脳梗塞や出血を繰り返して発症するケースがあります。その一方で、視床や尾状核といった認知機能にとって重要な部位で脳卒中が起こると、単発でも認知症に至ることもあるのです。
脳血管性認知症になるメカニズム
脳卒中によって脳の血管が詰まったり、破けて出血したりすると脳が圧迫され、酸素や栄養が脳神経細胞に行き渡らなくなります。
脳の認知機能に関連する部位の神経細胞がダメージを受けることで、認知症を発症すると考えられるのです。
また、脳卒中の原因は動脈硬化です。そのため、高血圧や心疾患、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は脳血管性認知症の危険因子だと言えるでしょう。
脳血管性認知症の症状
脳血管性認知症に特徴的な症状は次のとおりです。
- まだら認知症
- 情動失禁
各症状について詳しく解説します。
まだら認知症
脳血管性認知症に特徴的な症状には、脳が部分的に障害されて発症する「まだら認知症」が挙げられます。
障害される部位に応じて、認知機能の低下による症状の現れ方に差が見られます。
まだら認知症の場合、物忘れが激しくても、判断力や理解力が保たれていることがあるのです。また、1日ごとに体調の波が激しいのも特徴です。
情動失禁
情動失禁とは、感情がコントロールできずにすぐに怒ったり、泣いたりすること。別名を感情失禁とも言い、周囲の刺激に対して過度に感情的な反応を示すことが特徴です。
情動失禁は突発的に、怒ったり、笑ったりするため周囲の人は驚くことが多いかと思われます。しかし認知症患者にストレスを与えないためにも、感情的にならずに冷静に対処することが求められます。
周囲の家族や介護者が認知症に対して理解を示し、認知症患者の話を聞いてあげることが大切でしょう。
脳血管性認知症の一般的な治療法
脳血管性認知症は脳卒中が原因であるため、症状に対する対処療法とともに、脳卒中の再発予防や生活習慣の改善が重要です。
食事の管理やリハビリテーションなどを取り入れた上で、血圧コントロールの薬剤も服用しながら、脳梗塞や脳出血を悪化させないようにする必要があります。
脳梗塞による症状やアルツハイマー型認知症の治療はスマートクリニック東京へ
脳血管性認知症の原因は、血管が詰まる脳梗塞や血管が破けることで起こる脳出血などの脳卒中です。
障害を受ける部位に応じて、症状の現れ方や程度もさまざま。また、情動失禁と言われる感情の起伏の激しさも特徴です。
脳血管性認知症は、アルツハイマー型認知症との合併が最も多いと言われており、両者を併発した認知症を混合型認知症と呼びます。
混合型認知症の場合、脳卒中やアルツハイマー型認知症の両疾患への対応が不可欠でしょう。
スマートクリニック東京では、脳梗塞・脳出血の後遺症治療とアルツハイマー型認知症の治療が受けられます。
脳梗塞や脳出血による症状やアルツハイマー型認知症による認知機能の低下に悩んでいる方は、スマートクリニック東京にご相談ください。
記事監修
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東京慈恵会医科大学卒。
慶應義塾大学での勤務を経て、株式会社ZAIKEN設立。
臨床、訪問診療、企業活動など様々な分野に従事。
2020年よりスマートクリニック東京院長。
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