認知症の症状は急激に悪化することもあり、ご家族や介護者が戸惑うこともあるのではないでしょうか。
重症度や疾患に応じて、現れる症状も異なるため、疾患別に認知症の症状がどのように進行するのかを知っておくことをおすすめします。
本記事では、重症度や疾患のタイプ別に認知症による症状を紹介するので、参考にしてください。
認知症の重症度の分類
食事や運動、睡眠などの生活習慣の乱れにより、認知症の症状が進むと言われています。
また、老人ホームに入所したことで介助を受ける機会が増え、自主的な行動が減った場合も、環境の変化による認知症の重症化が心配されます。
生活習慣の乱れや環境の変化などによって、どのように認知症の症状が進行するのでしょうか。
ここでは、認知症の進行度における症状をお伝えします。
軽度
軽度認知症の場合、物忘れが多くなったり、整理整頓がうまくできなくなったりします。
いつも通りに日常生活を過ごせるため、認知症と気づかれないことも多いです。
少しでもおかしな点が見られる場合は、可能な限り早めに医師に相談したいところです。
軽度~中等度
軽度から中等度まで認知症が進行すると、集中力が欠如して、書くことが苦手になることもあります。
さらに、怒りっぽい性格になり、暴言を吐くようになる場合もあります。
中等度
中等度になると、記憶障害が進行して、1時間前のことを覚えられなくなったり、道に迷ったりするようになります。
服を着るのも難しくなり、日常生活にも支障が出てきます。
重度
重度の認知症になると、家族の顔や名前が分からなくなります。
自宅のトイレやお風呂の位置も分からなくなり、記憶障害が進行します。
身体機能の低下も目立つようになり、日常生活を自力で送りことも困難な状態です。
まだ認知症ではない軽度認知障害(MCI)
認知症になる前段階として、軽度認知障害(MCI)になる時期があります。
軽度認知障害の時点では、食事や入浴、トイレ、着替えなどの日常生活動作における問題はなく、通常通りの生活を営めます。
ただし、少し前の出来事をすぐに忘れてしまいます。
何度も繰り返し聞き返すなどの症状も見られ、記憶障害があることを本人や家族が認めている状態をMCIと呼びます。
認知症への進行を抑えるためにも、軽度認知障害の時点で治療を行っていきたいところです。
認知症の病型ごとの進行速度と症状
認知症の症状は病型によっても進行速度と症状が異なります。ここでは、代表的な3つの認知症疾患について詳しく解説します。
なお、認知症患者が介護者を悩ませる症状は、暴力や暴言です。次の記事で、暴力を抑える薬について解説していますので、参考にしてください。
関連記事:認知症の暴力を抑える薬とは?種類や効果について解説
アルツハイマー型認知症|緩やかに進行
アルツハイマー型認知症は緩やかな症状の進行が特徴で、主な症状は次のとおりです。
- 物忘れなどの記憶障害
- 計算をしたり、話したたりする能力の低下
- 服の着脱が難しくなる
- 計画的に物事を実行できなくなる
- お金の管理が難しくなる
初期には物忘れからはじまり、徐々に記憶障害が重症化し見当識障害も現れ、日常生活動作が限られてきます。
レビー小体型認知症|変動しながら進行
レビー小体型認知症は、好調や不調といった調子の波を作りながら徐々に症状が進行します。
症状の特徴はアルツハイマー型認知症の症状に加えて、運動が緩慢になったり、手足が震えるようになったりするパーキソニズムが現れることです。
アルツハイマー型認知症との混合性認知症に至るケースもあります。
脳血管性認知症|急激に変化
脳血管性認知症は、症状の急激な進行が特徴。脳梗塞が原因で起こるため、高血圧や糖尿病などの他の循環器系の疾患を併発していることも多いです。
ちょっとした出来事で、笑ったり泣いたりなど極端に感情が変化する感情失禁が現れます。
また、障害を受けた部位に応じて、一部の能力がだけが低下するまだら認知症の症状も見られます。
アルツハイマー型認知症発症後、また予備軍の方々の症状改善治療はスマートクリニック東京へ
認知症は急激に悪化することもあるため、早期発見に努めることが重要です。
今回は、重症度別あるいはタイプ別に認知症による症状を紹介したので、参考にしてください。
認知症の中で最も多いのはアルツハイマー型認知症だと言われてます。
スマートクリニック東京では、再生医療の技術を応用したサイトカイン療法にて、アルツハイマー型認知症治療を行っています。
物忘れやその他のアルツハイマー型認知症による症状でお困りの方は、ぜひご相談ください。
記事監修
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東京慈恵会医科大学卒。
慶應義塾大学での勤務を経て、株式会社ZAIKEN設立。
臨床、訪問診療、企業活動など様々な分野に従事。
2020年よりスマートクリニック東京院長。
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