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コラム記事

【論文紹介】虚血範囲が広範囲に及ぶ急性期脳梗塞に対する血管内治療(NEJMより)

論文紹介

2022.08.19

こんにちは。スマートクリニック東京です。

今月から、新しい試みとして論文を定期的に紹介していくことになりました。

さて、今回はNew England Journal of Medicine誌より発表された論文をご紹介します。

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虚血範囲が広範囲に及ぶ急性期脳梗塞に対する血管内治療
Endovascular Therapy for Acute Stroke with a Large Ischemic Region

N Engl J Med. 2022 Apr 7;386(14):1303-1313.doi: 10.1056/NEJMoa2118191. Epub 2022 Feb 9.

【背景】

急性期の脳梗塞に対する血管内治療は梗塞範囲が大きいと行わないことが多いが、一方でその内科的な治療のみを行った場合と血管内治療を加えた場合の効果は十分に検討されていなかった。

【方法】

脳の主観動脈閉塞があり、画像上 Alberta Stroke Program Early Computed Tomographic Score(ASPECTS)(0~10 の尺度で,値が低いほど梗塞範囲が広い)で 3~5 の範囲にある広範囲脳梗塞を有する患者を対象として、日本で多施設共同非盲検無作為化臨床試験を行った。

対象患者を最終健常確認時刻から 6 時間以内もしくはMRIのFLAIR 画像で変化を認めない場合は 24 時間以内に内科的治療に加えて血管内治療を行う群と、内科的治療のみを行う群に 1:1 の割合で無作為に割り付けた。両群とも適用がある場合はアルテプラーゼ(0.6 mg/kg)を投与した。

主要アウトカムは発症 90 日後におけるmodified Rankin scale(0~6 の尺度で、スコアが高いほど障害が大きい)が 0~3 であることとした。副次的アウトカムは、発症 90 日後におけるmodified Rankin scaleがより良好な転帰を示す方向に分布すること、割付け 48 時間後におけるNational Institutes of Health Stroke Scale (NIHSS)スコア(0~42 の範囲で,スコアが高いほど障害が大きい)が 8 ポイント以上改善することなどとした。

【結果】

 203例がランダム化され、101例が血管内治療、102例が内科的治療に割り付けられ、その約27%ずつがアルテプラーゼの投与を受けた。90日後のmodified Rankin scaleが 0~3 であった患者の割合は前者で31%、後者で12.7%であった。(相対リスク 2.43,95%信頼区間 [CI] 1.35~4.37,P=0.002)

modified Rankin scaleのスコア分布は血管内治療を加えたほうが良好であった。

 割り付けられてから48時間後のNIHSSで8点以上の改善は、血管内治療群の 31.0%と内科的治療群の 8.8%に認められ(相対リスク 3.51,95% CI 1.76~7.00)、頭蓋内出血は前者で58.0%、後者で 31.4%に発生した(P<0.001).

【結論】

 結果として、血管内治療を内科的治療に加えることで機能予後は良好となるが、頭蓋内出血が起こる可能性も上昇した。

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【コメント】

現在の救急医療では、重症の脳梗塞に対しては、カテーテルを用いた、血管内治療はその後の脳出血の危険性もたかいため、積極的には行われないことがあります。

この結果からもリスクはあることはわかりますが、治療することでメリットもある可能性があります。

症例による検討は今後必要と考えられますね。

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