新型コロナウイルスのワクチン接種後は体調不良になると言われています。
実際に、多くの方が疲労感や倦怠感、頭痛、筋肉痛に悩まされているようです。また、ワクチン接種後に起こる重篤な症状も気になりますよね。
そこで本記事では、ワクチン接種後の副反応について詳しく解説。厚生労働省が発表した信頼性の高いデータをもとに、お伝えします。
ワクチン接種後の症状が気になる方は、参考にしてください。
ワクチン接種後に体調不良になる理由
ワクチン接種後に体調不良になる理由は、身体の免疫がワクチンに反応するから。
新型コロナウイルスのワクチンはウイルスを無毒化して、身体に与える影響を弱めたものです。人間がワクチンを接種すると、免疫を獲得してウイルスに感染しづらくなります。
しかし同時に、ワクチンに身体の免疫が反応して、新型コロナウイルスにかかった時と類似した症状に見舞われることもあるのです。
体調の悪化が懸念されるため、ワクチンを接種する際は身体の調子を整えた方が良いと言われています。
ワクチン接種後の副反応の種類
ワクチン接種後の副反応は、ファイザーやモデルナ、アストラゼネカといった製薬会社が製造したワクチンごとに異なります。
厚生労働省は「副反応に関する審議会資料」を公開しており、その資料には臨床試験における各社ワクチンの副反応データも記されているのです。
ここでは「副反応に関する審議会資料」を参考に、各社が製造したワクチンの副反応について解説します。
ファイザーワクチンの副反応
ファイザー製ワクチンを接種した人の中には、重大な副反応は見られなかったとされています。
接種部位に痛みを感じた人の割合は、若年層に多く16~55歳の1回目で83%、2回目で78%でした。
だるさや頭痛、筋肉痛によるつらい症状が主な副反応で、1回目よりも2回目の方が症状を訴える人の数も多かったようです。
モデルナワクチンの副反応
モデルナ製ワクチン接種後には、重篤な副反応は見られなかったようです。
モデルナ製ワクチン接種後の副反応の特徴は、ワクチン接種部位に痛みを感じる人が多かったことです。
18歳~55歳以上の人の半数以上が、ワクチン接種部位に痛みを感じており、1回目よりも2回目の方が副反応に見舞われた人の数が多い結果となりました。
痛み以外の副反応には、疲労感(倦怠感)や頭痛、筋肉痛、寒気などがあります。
アストラゼネカワクチンの副反応
アストラゼネカ製ワクチンの接種後には、重篤な副反応は見られませんでした。
接種部位に痛みを感じた人の割合は、1回目の約40%近くが最大でファイザー製やモデルナ製のワクチンと比べて、痛みの症状が少ないのが特徴です。
倦怠感や頭痛、筋肉痛などの副反応が現れたのは、他のワクチンと共通しています。
ワクチン後遺症に関する事例
ここでは、厚生労働省に報告された新型コロナウイルスワクチンの副作用についてお伝えします。令和3年10月22日開催された「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会」では、次の報告事例について話し合われました。
- 心筋炎や心膜炎
- アナフィラキシー
- 血小板減少症を伴う血栓症
ここでは副反応として現れた、上記の各疾患について詳しくお伝えします。(注1)
心筋炎や心膜炎
心筋炎や心膜炎の症状が起こる場合、ワクチンを接種してから4日以内に、胸の痛みや息切れが出ると言われています。
傾向としては、高齢者よりも若者に、女性よりも男性に起こりやすいようです。
ワクチン接種後に胸の痛みや息切れが現れた場合は、速やかな医療機関の受診が推奨されています。
アナフィラキシー
アナフィラキシーとは、短時間でおこるアレルギー反応です。
蕁麻疹や腹痛、嘔吐、息苦しさなどの症状が急に起こります。アナフィラキーショックを起こすと、意識レベルが低下して、呼びかけにも反応しなくなります。
血小板減少症を伴う血栓症
主にアストラゼネカ製のワクチンに見られる副反応で、ワクチン接種10万~25万回に1回の割合で起こるといわれています。
血小板の減少と共に、さまざまな部位に血栓ができるのが特徴です。一般的な血栓症は、足の血管に血栓ができることが多いのですが、アストラゼネカ製ワクチンの副反応の場合は、脳やお腹の血管にも血栓が生じると言われています。
ワクチン接種後の体調不良で多いのは疲労感や頭痛
ワクチン接種後の体調不良で多いのは、疲労感や頭痛、筋肉痛です。
ファイザーやモデルナ、アストラゼネカの各社が製造したワクチンと因果関係のある死亡の報告は、令和3年10月22日の時点では確認されていません。
一方で、重篤なケースに至る副反応として、心筋炎や心膜炎、アナフィラキシー、血栓症などの報告はあります。
副反応を広げないためにも、ワクチン接種は体調を整えて受けるようにしましょう。
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(参考)
注1:新型コロナワクチンの副反応疑い報告について|厚生労働省
記事監修

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東京慈恵会医科大学卒。
慶應義塾大学での勤務を経て、株式会社ZAIKEN設立。
臨床、訪問診療、企業活動など様々な分野に従事。
2020年よりスマートクリニック東京院長。